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その32 ― ピンチョン Lot 49
競売ナンバー49の叫び

前回…] [目次

She shut the door behind her and took the occasion to blunder, almost absently, into another slip and skirt, as well as a long-leg girdle and a couple pairs of knee socks. It struck her that if the sun ever came up Metzger would disappear. She wasn't sure if she wanted him to. (p29)

《背後のドアを閉めて、まごつきながら、ほとんど無意識のうちに、もう一枚スリップとスカートと、それに長い、太腿まで入るガードルと膝まで来るソックスを二足、身につけた。日がのぼったらメツガーは姿を消してしまうんだと、ふと思った。それを望んでいるのかどうか、わからなかった。》p47/p54

 ゲームに勝つためにエディパはさらに服を着こんだ。しかし彼女の気持は逆の方向に動きはじめている。部屋に戻るとメツガーは下着姿で眠っていた。
With a cry Oedipa rushed to him, fell on him, began kissing him to wake him up. His radiant eyes flew open, pierced her, as if she could feel the sharpness somewhere vague between her breasts. She sank with an enormous sigh that carried all rigidity like a mythical fluid from her, down next to him

《叫び声をあげてエディパは彼に突進し、その上に倒れ、キスをして彼の目を覚まそうとかかった。メツガーの輝く目がぱっと開いて彼女を突き刺した。何となく乳房のあいだが、どこか、きりきり痛む思いだった。大きな溜息をついてくずれおれると、ぎごちなく硬いものがみな神秘な液体か何かになって流れ去ったように、彼のわきに横たわった。》

 メツガーの視線に突き刺され、それまでこの男に対して抱いていた警戒心やら何やらがすべて消え失せてしまうさまを描くのに、上で太字にした部分はすごくうまいと思ったのだが、なんだか野暮な感想である(ちなみにテレビの映画では、敵味方の兵士たちが視線どころか銃剣を突いたり刺したりして戦っていた。あからさまといえばえらくあからさまだ)。
 メツガーは何十枚にもなるエディパの服を脱がせにかかる。

…続き
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