趣味は引用
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2011年7月29日(金)

 今回もまた、1ヶ月以上も更新をせずに放置していたせいで出っぱなしになっていた、スポンサー広告を消すためだけの更新になってしまう。
 広告。前回の更新からこっち、“発毛法”に替わって印象に残った広告は、きれいめの女の人が微笑みながら“これでダメならFXやめろ!”というものであった。思えば80年代は遠くなった。知らんけど。

 さて、2010年の9月から実家に帰り、6月の後半になって東京に戻ってきた私を待っていたのは、 『ダールグレン』 駅前のスーパーで98円棚に並んだ、ウィルキンソンジンジャエールの500mlペットボトルだった。
 即座に6本つかみ取り、照明の落とされたレジを通る間ももどかしく部屋に帰って、震える手でキャップを回しグラスに注いで飲んでみると、記憶にあるよりずっと炭酸がきつかった。私はいま、自分が本当に実家にいないのだと知った。
 以来、このペットボトルを毎日毎晩、複数本ずつ買って帰り、複数本ずつ飲むのが日課になった。部屋とジンジャエールと私。ウィルキンソンと私の蜜月時代である。
 しかし、ひと晩に4本飲むとさすがにお腹を壊すということもわかってきた7月半ば、98円棚の宿命で、かのペットボトルは一夜にして忽然と姿を消した。同じ棚には、それまで見たことのないスポーツドリンクが並ぶようになった(今日もあった)。
 ことここに至って、私は観念した。酒屋に行こう。酒屋で透明な緑の瓶に入った、ウィルキンソンジンジャエールを買おう。

 それでこれまでに何度も前を通っていたカクヤスに初めて入り、初めて買い物をした。えっと、瓶のジンジャエールを。ええ、ドライじゃないほうで。
 24本入りの1ケースを部屋まで配達してもらい、受け取りにサインする間ももどかしくドアを閉めて、震える手で蓋を外しグラスに注いで飲んでみると、ペットボトル入りのものよりずっとおいしかった
 おどろいて3本続けて飲んでみたが、気のせいでは明らかにない。瓶のほうがおいしい。
 では、半月ほどのあいだに私がスーパーから部屋に運び込んでは飲んだ、あの何十本かのペットボトルはなんだったんだ。蜜月時代はただの激辛時代だったのか。
 まだ6月だったころ、友達から「ペットボトルの味はどう?」とメールで訊かれ、「やっぱ瓶じゃないとねー、と言いたいところですが、おれには違いがわかりません」と謙虚なふうな返信をしていたことが炭酸の泡とともに思い出される。味は確かに違った。そして私は間違った。
 実家のお店で店番していたときに、「コカコーラは350の缶より250の細缶のほうが絶対にうまい、あれは中身が違う」と主張して譲らなかったおっさんの揺るぎなさに思いを致しつつ、今晩も2本めのジンジャエールを空けるのだった。
ピンチョン『競売ナンバー49の叫び』の読書ノートは一応続いています
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。