趣味は引用
その12 /10月18日(月)  下巻P376-513
逆光〈下〉 (トマス・ピンチョン全小説)

前回…] [目次

《「アメリカ政府はどうなんだ?連中の考えは?」
「私たちはもはや政府のために働いてはいない」
「すごいじゃないか!じゃあ今は誰のために仕事を?アメリカの大企業か?」
「自分たちのために」[…]
「おまえさんたち自身が――気球少年よ――アメリカの大企業じゃないのか?」》下p380

■ 下p513まで読んだ。
「ピンチョン、書きたいことを、書きたいだけ書いている!」というのが、『逆光』読んでていちばん思うことだなあ。
 なぜいまそのエピソードを? しかもこんなに長く? とか思ってても、読んでいくうちに(書かれていくうちに)時は過ぎる。小説の中でも外でも。

■ 下p400あたりで作中時間は1908年10月になり、AがBを併合すると、それまでと毛色の違う話がのびのびと引き出されてきたり。それで思わず世界史の参考書を探してみたり。ここでネットに手を出すと本に戻って来れないが、いっそ戻れないくらいさまよってみるのもありか。

■ しかもそのエピソードが、以降の本筋に大きく絡むことはたぶんないと半ば確信されもする。そこでどうするか。「読み飛ばす」のではなく、「どれが本筋か、みたいな読み方をなるべく忘れるようにする」。
 これに較べると『V.』だって緊密な構成を持った作品に思えてくるよ(実際そうか)。

■ 今日読んだ部分はそんな感じなので、何人もの人物が顔を合わせたり関係を持ったりしても、それでどうまとまっていくのか(そもそもまとまるのか)、かえって茫洋とわからなくなっていく印象。
 このままで終わったらさすがに寂しい。でもまだ300ページ以上あるからどうにかなるだろう。
《まだ敷設されていないこの概念的な鉄道が不可視のまま、物理的存在の世界に入ることを待ち受けている外交的要素として、雪と峠と谷とをまたがるようにそこに存在していた。
 シプリアンとダニロはできる限りその経路をたどった。》下p453

 ちょっとしびれた。ない線路に沿って歩く!

■ そうそう、さっきamazonに行ったら、こんなリストがあるのを発見。

 →ピンチョン『逆光』を読むための参考書

 いまならどれも楽しそうだなあ。“シャンバラ案内”ってコメントに笑った。

…続き
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