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その5 /10月6日(水)  上巻P523-617
逆光〈上〉 (トマス・ピンチョン全小説)

前回…] [目次

■ このゴテゴテ感。
《巨大な機械の光の届かない奥底で、蒸気ハンマーが容赦なく未加工の氷塊を砕き、蒸気が立ち上り、氷と水と蒸気という三つの層の水が入り混じり、その中をくぐるようにして、カスタネットを両手に持ったウェイター長に指揮された氷娘たちがローラースケートでテーブルの間を周り、低温の固体で満たされた、店の名前入りの亜鉛めっきバケツを配っていた。》上p573

■ 上p617まで読んだ。
 鉱山関係の話(フランク)は、階段を三段飛ばしで上がるテンポながらノロノロしているという不思議な印象。ちょっと語りすぎじゃないだろうか。ダリーや〈不都号〉の面々、そしてヤシュミーンはどうしてるだろうか。

■ それにしても、たびたび感じ入るのはピンチョンの戦略的ご都合主義とでも言えそうな書き方で、たとえば上p554、潔いくらい都合のいい展開を、「都合いいですよ」と札を付けて提示する。こちらは「もう!」と笑って受けとめるので、結果、ご都合主義がヌケヌケと実現されることになる。
 ただのご都合主義ではないふりをしてほかならぬご都合主義を成立させる、かなりうまい手だと思う(私はきっとピンチョンに甘い)。

■ さらに『重力の虹』までだと、ご都合主義と、「これは陰謀かもしれないぞ」という疑惑を循環させる、手品みたいな書き方も使われていた記憶。

…続き
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