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2010/06/04

読めるだけ読むM&D その10

Mason & Dixon

前回…] [目次

■ 第16章(pp167-74)

 ディクスンに促され、メイスンが亡き妻との思い出を語る。しんみりした話だろうに、はじめの出会いはチーズ転がし祭りだった――

 まあ、私もそんな祭りのことは聞いたことがあり、いちおう調べてみれば例によってWikipediaに詳しく記載があるんだが、それより動画を見たほうがはるかに早い。
 丘の上から転がしたチーズを追って、人間が転がる速さを競う・・・なんだろう、スポーツ? いや、年中行事・・・ もとい、チーズ転がし祭りはチーズ転がし祭りでほかに言いかえようがない、と思わされる。





 動画はほかにもいろいろあり、インパクトが強すぎて(人がゴミのようだ)小説をほったらかし、しばらく見入ってしまう。
 たしかに最初はチーズを転がしているが、そんなことは雪崩をうつイギリス人を見ているうちにきっと忘れる。でも小説では、ここで決して忘れようのない、ベヒーモス級の巨大チーズ(高さ3メートル、重さ4トン)が転がって若きメイスンを襲うというおそろしい話になっていた。
 このようなお祭り大波乱の最中にメイスンはレベッカと出会ったんだそうであるけれども、動画に気を取られているので今回は以上です。本末転倒、という言葉が似つかわしいと思う(2007年のやつはとくに傾斜がきつく見える)。

(チーズ転がしの話は、たしか堀江敏幸の小説でも使われていたような記憶がある。『熊の敷石』だったっけ? もっとひどいのでは、佐藤哲也が“女房転がし”なるものを発明していたと思う。『イラハイ』?)


■ 第17章(pp175-82)

 まだまだセントヘレナ島。
 できることなら本と電子辞書だけ持ってファミレスにでもこもりたい、そうすれば今よりずいぶんはかどるんじゃないか、という気持を捨てきれずにいたのだけど、はっきりわかった。そんなの無理。ネットがないと読めません。
 この章で扱われる史実は「ジェンキンスの耳の戦争」、その経過をググってつかまないことには、「どうしてここで耳の話?」とクエスチョンマークの泥沼にはまって進めやしなかっただろうこれとかこれとか)

 マニアックな知識にもいろいろあるが、マニアックな歴史の知識以上に役に立つものはないんじゃないかと思われたことだった(「ジェンキンスの耳? そんなのどこがマニアックだよ!」みたいな)。
 ググらないにしても、注釈サイトには世話になりっぱなしです。邦訳では、しっかり訳注が付くんだと思われる。しかも、読みにくくなる巻末注ではなく、見開きの左ページ下段隅にまとめられると予想。

 大国同士の戦乱を生むきっかけとなった耳の持ち主ジェンキンスは、じっさいセントヘレナ島と浅からぬ関係があるという史実と、史実にインスパイヤされた与太話(メイスンは「耳の博物館」で冷や汗ものの体験をする)。そして与太話からなぜか湧き出す詩情(メイスンはディクスンのことを・・・)。
 満腹した気持でいたら、章の終わりでついに進展の予感がきた。

 メイスンとディクスンが、ついにセントヘレナ島からイギリスへの帰途についている! しかも船上でふたりの話題にのぼるのは、最近ロンドンの王立天文台に持ち込まれたらしい面倒きわまりない案件、すなわち、新大陸でペンシルヴェニアとメリーランドの境界を画定する大仕事のことだった!!

 ・・・すこし考えて、ふたりは「その仕事はたぶん、われわれには来ない」と結論する。

…続き

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