趣味は引用
読中日記(17)
前回…

■ 11月23日(月)

 ほんとは休日じゃなかったんだけど、いろいろ都合して午後2時、リブロ池袋店の上階、池袋コミュニティカレッジの一室でひらかれた「『時間のかかる読書』刊行記念 宮沢章夫×いとうせいこうトークショー」を見物にいった。(以下、すべて私の記憶)

『時間のかかる読書』刊行記念、というよりも、『東京大学「80年代地下文化論」講義』刊行記念、みたいな話が多かったが、じっさいに話をする2人の人間の組成なんだから欠かせない話題だろうし、それになにより、私にはわからない固有名詞が飛び交っても、2人の会話が面白くてずっと聞いていたかった。
「いま『機械』の話になりそうだったのに…」「あー、残念」

 いとうせいこうの、あの、瞬時に相手をボケ役にして転がしていく話術は何事かと思った。自分も乗っかってとぼけていきながら、いきなり突っ込む。宮沢章夫も楽しそうに転がされて、楽しそうに突っ込まれる。
 そういう脱線めいた歩きかたで、徐々に『機械』に接近していく。かと思えばまた離れていく。そのくせ終わり近くに「…さて、90分のあいだひたすら『機械』についてのみ語ってきたわけだけど」などと言い出すのにいちばん笑った。「いやあ語った」「語り尽くしたよねえ」

『機械』について:
・三角関係なのに登場人物が四人いる、三角関係は(椅子とりゲームみたいに)誰が入れ替わっても三角関係のまま。その関係が「機械」では?
・「ネームプレート工場」は、当時は最先端技術の現場であるのを忘れてはいけない
・「文藝」2009年冬号掲載の、いとうせいこうによる書評はマスト

 そのほかいろいろ。そう、ほんといろいろあった。「体が関わるほうが機械っぽくなる」は奥の深い言葉。行ってよかった。
 サインをいただいて退出。


時間のかかる読書―横光利一『機械』を巡る素晴らしきぐずぐず時間のかかる読書―横光利一『機械』を巡る素晴らしきぐずぐず
(2009/11/06)
宮沢 章夫

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 関係ないけど、それからタランティーノのイングロリアス・バスターズを見ようと思い立ち、近所の映画館へ。
 次の回の上映まで40分あるので本屋で立ち読みしていたら、時計の読み違いでじつはさらに1時間あると気づく。結局、1時間40分、まるまる立ち読み。高校生に戻った気分。で、映画館に戻ると50人くらいの行列になっているのだった。
 映画はたいへん面白かったが、それには、自分が「ナチスをばんばん殺す特殊部隊、リーダーはブラッド・ピット」くらいの前情報しか持たずに行ったことも寄与していると思うので、詳しくは書かない。というか、書きようがない、あんな映画。「女優がすごくいい」、これは断言。


 この10日ほど、ピンチョンを読んでいなかった。

…続き
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