趣味は引用
今日の3点

■ 「ミランダ・ジュライ」+「新日曜美術館」というワードで検索して来られる方が何人かいて、もしやと思って調べてみたら予想通りだった。
 10月5日(日)、NHK教育の「新日曜美術館」で、横浜トリエンナーレ2008が特集されたんだそうである(→番組サイト)。私は知らなかった。
 ミランダ・ジュライの作品も映ったのかどうか(→公式の紹介。これではどんなだかわからない)。
 放送を知らなかったことを、なぜか反省する気持になった。ほんと、なぜ。


■ 穂村弘インタビュー
「WEB本の雑誌」のインタビューコーナー、「作家の読書道」の第83回に、穂村弘が出ていた。
 http://www.webdoku.jp/rensai/sakka/michi83.html
《――チャンドラーに関しては。

穂村 : 中学生ぐらいの時から読んでいました。原文がどうなっているのか分かりませんが、清水訳って、無意味なことがいっぱい書かれてあるんですね。例えば自分がいて誰かがいて、お互い飲み物を飲んでいる。二人のグラスを手に持ってお代わりを注ぎにいく途中で、どっちがどっちのグラスか分からなくなる。そういった、小説の筋とはまったく関係ないけれど、でも実際に起きることが書かれてある。僕が思春期の頃に混乱していた感じというのは、そのグラスがどっちがどっちか分からなくなる感覚が極端に肥大してしまって、小説でいうストーリーや対人的な会話にあたる部分が見えなくなってしまう感覚だったんです。色盲検査表の中には図形や文字があるけれど、それを消しているノイズとされている部分に飲まれてしまうような。だから友達に「おはよう」と言われても、反応が悪かったんですよね。》

 このあと、アニメ版「ルパン三世」1stシリーズの話も出てくるんだけど、わりと最近、その全23話を通して見ていた私には、思い当たるふしがいろいろだ。無駄の省きかたがすごく格好よく見えるわりに、別種の無駄がいっぱい入っているのだった。ただし、穂村弘が取り上げている、
《番組の冒頭で峰不二子がシャワーを浴びながら鼻歌を歌っている。隣の部屋でルパンと次元がそれを寝転がって聞いていて、しばらくしてから次元が「ちっ、ヤな歌だぜ」と言う。》

 このシーンは微妙にちがう。朝食の準備で釣りに出ていたルパンと、外で射撃の練習をしていた次元が合流してアジトの前まで帰ってくると、前夜から泊まっていた不二子の、シャワー中の歌が聞こえてくるのである。そして「ヤな歌だぜ」と続く(第2話「魔術師と呼ばれた男」)
 ・・・ものすごくどうでもいい。書いてみたかっただけです。
 
■ ↑こういう無駄をこそ省くべきだが、ところで、その上、ひとつめの引用に出てくる「色盲検査表」という言葉はすごいと思う。何かがむき出しだ。それって、歌わせといて「ヤな歌だぜ」と言わせるセンスにも通じる何かである気がしてならない(一般名詞のはず、念のため)。


■ ようやく、福岡伸一『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)を古本で見つけたので読んでみた。去年からさんざん言われているように、文章がうつくしくてまずおどろく。
「文章がうつくしい」なんて、小説を読んだ感想にはおいそれと使えない言葉なのに、いま平気で書いてしまったのは、私がこの新書を「小説とは別」と捉えているからなんだろうか。しかし、これを読んでいていちばん連想されたのはリチャード・パワーズであって、パワーズが小説でなかったらこの世に小説なんかあるのか、というのは言い過ぎにしても、いや、重ねて言い過ぎを続ければ、『生物と無生物のあいだ』は、『われらが歌う時』よりも、パワーズっぽいのである。無茶苦茶だ。逆に言えば、それくらいの水準でしか私はそれぞれを読めていないということになる。それはそれでたしかなことだ。

■ それでも検索してみると、よく見るブログがヒットした。「東京猫の散歩と昼寝」より2件。
 →「小説と無小説のあいだ」(2007.06.19)
 →「読書と無読書のあいだ」(2007.06.28)
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