趣味は引用
1月のもろもろ

 年末のでたらめな生活のせいで狂ったリズムがまだ戻らず、部屋に帰ると寝てばかりいる。たぶん1週間、毎日こたつで朝を迎え続けた。

 漱石の『猫』を再読したいきおいで、内田百閒の『贋作吾輩は猫である』、奥泉光の『「吾輩は猫である」殺人事件』と続けて読む。それぞれに面白い。これも含め、買って読んで面白く、感想を書こうと決めたまま机の横に積んである本が何冊もあり、掃除するたびに虚しい気持になっていた。いいかげん、引用だけでもしておこうと思うものの、どれもこれも読んだのは数ヶ月前、という程度ならまだましで、ひどいのになると1年前だったり2年前だったりするのでもうめげそう。めげ続けて2年経過、ということでもある。なんとかする。

 その他メモ。

■ 私は水木しげるのヌルいファン(つまりファン)であるので、先週はじまった「墓場鬼太郎」アニメ版は録画して見た。話はともかく、どうなってるのかわからない不思議な絵だった。今週も見ると思う(木曜24:45~、フジ)。
 あ。こんなのもやっていたのか。


■ 1/11(金)放送の「タモリ倶楽部」は、進行に乾貴美子、ゲストにみうらじゅん&安齋肇を迎えた、勝手に観光協会特集。ふたりの作ったご当地ソングの生演奏に、乾貴美子が眉根に皺を寄せたままリズムをとったり、そのうち飽きて体育座りになってしまうのがよかった。


■ 川上未映子&穂村弘トークショー

 →川上ブログの記事
 この組み合わせであるのに行きそびれる。イベントじたいを知らなかった。
 ああ。


■ ドストエフスキー『作家の日記』が復刊されるとか

 全集の端本で、あるいはちくま学芸文庫の6冊本で、ことごとく買い逃してきた『作家の日記』。昨今の謎のブームに乗って復刊されるのは、岩波文庫の米川正夫訳、全6冊。2月後半。
 →復刊ドットコムのページ


■ ミルハウザーの新刊

 たぶん『マーティン・ドレスラーの夢』以降、あたらしい単行本は出ていなかったミルハウザー。さっき本屋で『ナイフ投げ師』を発見(柴田元幸訳、白水社)。

ナイフ投げ師ナイフ投げ師
(2008/01)
スティーヴン・ミルハウザー

商品詳細を見る

 この短篇集、ずいぶん前にいちおう無理して原書で読んだのだった。でも憶えているのは本と関係ないことばかり。
 あちこち持ち歩いてページをめくってたんだが、季節は夏で、通ってた学校の門から続くスロープを上った先にある、四方を校舎に囲まれた中庭のベンチに座って読んでいると、もう夏休みになっていたからそこらを歩く人もほとんどいなかったのに、本から顔をあげた瞬間、少し民族衣装っぽい、ゆるいワンピースを来たものすごい美人が目の前をゆっくり通りすぎていった、とか、当時は田無に住んでいたので、西武新宿線に乗って帰る途中に読んでいたら眠ってしまい、目が覚めたら夕方、電車は聞いたこともない駅のホームに止まっていて、慌てて上り列車に乗り換えようとして案内板の示すままに降りていった地下通路は見たこともない黄色い光の蛍光灯で照らされており、そこを歩くサラリーマンや高校生の足音も聞いたことのない反響をなしてこちらを包み、咄嗟に「もう帰れない」と観念した、とか、もちろんそんなはずはなく、無事に乗り換えて帰ったのに、次の日になったらあの駅がどこだったのかぜんぜん思い出せなかった、とか、そんなことばかりが記憶に残る。

『ナイフ投げ師』に入っている作品では、「夜の姉妹団」(超傑作)がアンソロジー『夜の姉妹団』に入っており(ややこしいが、こっちはほかの作家含めた短篇集のタイトルになっているということ)、あと「空飛ぶ絨毯」が、やはりアンソロジー『紙の空から』に入っていたはず。
 ペーパーバックは何種類かあるみたいで、しかし私の読んだこれがいちばんいい表紙だと思う。

The Knife ThrowerThe Knife Thrower
(1999/12/02)
Steven Millhauser

商品詳細を見る


 ともあれ、この更新が済んだら『ナイフ投げ師』を読みはじめるのであって、本読む楽しみは、読みはじめる前からはじまっていると思うことしきり。
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック