趣味は引用
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ロ、ロ、ロ、
 10月21日の日曜日は、昼過ぎにふとんからのそのそ這い出し、3年ぶりに携帯電話を機種交換するべく電車に乗って隣町の電器屋まで出かけていって手続きを済ませると「1時間したら受け取りに来てね」と言われたのでひとまず本屋に向かい、棚を眺めていたら若島正『ロリータ、ロリータ、ロリータ』(作品社)が平積みになっているのを発見、たまげた。たしかにそろそろ出るころだったが、もう出てたのか。
 それでさっそく買ってみれば、すでに「序」だけで“今年読んだ本ベストワン”の気配がたちこめ、自分の舞い上がりかたがおそろしくなったので本を閉じた。今日、あらためて半分まで読んだが、やっぱり面白い。携帯電話の説明書は火にくべてしまいたい。
 乱視読者シリーズ(『冒険』『帰還』『英米短篇講義』『新冒険』『殺しの時間』)では小説を総計何万ページと飲み下してきた若島正が、今回は、自分で訳したナボコフ『ロリータ』の、新潮文庫版にしてわずか5ページ弱の一場面を徹底的に読み解いてくれる。その実演は綿密なのに大胆、テクストに密着しながら奔放に飛び回る。
 ハンバートとロリータの情事の記録である『ロリータ』がナボコフの“英語との情事”であるならば、本書は若島正と『ロリータ』との情事の記録なのだろう。情事って言葉は初めて使った気がする。引用だから仕方ない。ともあれ、どんなに落ち着いて読もうとしても「小説ってこんなにも丁寧に読めるのか」という驚きと「こんなにも丁寧に読める小説をナボコフは書いたのか」という驚きが交互に点滅し続けて大騒ぎの私をよそに、若島正の筆致はあくまで冷静。舌を巻く。娯楽のなかの娯楽。みんな読めばいいと思う。


ロリータ、ロリータ、ロリータロリータ、ロリータ、ロリータ
(2007/10/23)
若島 正

商品詳細を見る


ロリータ (新潮文庫)ロリータ (新潮文庫)
(2006/10)
ウラジーミル ナボコフ

商品詳細を見る
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。