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「○○○○は ひらりと みをかわした!」
 きのうから続く日記。いつだって続き。

 ■ はじめてドラクエ II をした

「ツイン・ピークス」を見終え、9月になってからは、ドラクエをやっていた。「 I 」と「 II 」がいっしょに入っている、スーファミのリメイク版。これ自体が14年前のソフトだった。
 私は「目が悪くなる」という理由でファミコンを買ってもらえない子供だったので、ドラクエは「 I 」も「 II 」も「III」も「IV」もやれなかった。「ファミコンがあってもなくても、この子の目は悪くなる」との真理に達した親がスーファミは買ってくれたおかげで「V」だけやったが、正直、印象は薄い。高校のころ、ある友達からは「同い年なのにジョジョも読んでない、ドラクエに熱中したこともない、そんなお前はなんて貧しいやつなんだろう」と憐れまれた。
 そういうところにずっとコンプレックス(!)があるので、大学に入るのに上京するとき、件の「ドラクエ I ・ II 」を買い、入学式の前に「 I 」を終えて「 II 」をはじめ、でも途中でやめた(後述する)。

 今回、何年かぶりであらためて「 I 」をやり、「 II 」に移行して、こないだの週末に無事クリアした。いまどき、しかもはじめて「 II 」をやる人もあんまりいないと思うので、こういう事後報告ではなく、けなげな「ドラクエ II をやってみる日記」を書いてみようかとも思ったが、主人公3人に知り合いの名前をつけてしまったせいで、それも遠慮した。かつて上石神井に住んでいた後輩3人が、力を合わせて世界を救ったことになる。自分で勝手に名付けておきながら、釈然としない気持が残った。こんど会ったら、何かおごろうと思う。

 ゲーム歴がほとんどない私のなかには、「 II 」の難易度がどれくらいなのか判断する基準がない。「まあがんばりな、と放り出されている感」をひしひしと覚え、ゲームって(あるいは、当時のゲームって)こういうものだったのか、と新鮮な思いをした。なんというのだろう、目の前3メートルの距離に吊り下げられたニンジンを追って走らされる馬になったような気分を何度となく味わう。何をどうすれば先に進めるのか、皆目見当がつかないわけではないけれど、もうちょっとヒントがあってもいいんじゃないかとたびたび不安になった。
「どうして1メートルでも2メートルでもなく3メートルなんだろう。これでいいのか」と思いながらプレイしていたが、事実として、20年近く前には何百万という人間がしっかりニンジンを追いかけたのだから、きっとこのバランスでよかったんだ、私が甘いんだ、と考えるしかない。

 そういった、リアルタイムでプレイした人たちに義理立てするつもりで、探せばいくらでも見つかるにちがいない攻略サイトの世話にはならず、ノーヒントで進めようとまず決めた。しかし、ときには3メートルが10メートルに感じられることもあり、当時だってゲーム雑誌や口コミに助けられたりした人もいるだろうという気もしてきて、迷った末、「友達に聞くのは可」ということにした。ゲーム中、3人が船を手に入れたあたりだった。

 とはいえ、2007年のいまごろ「じつはドラクエ II をやってるんだけど」と話をもちかけても怪訝な顔をしない人間がいるだろうか。いや、いた。高校時代に私を憐れんだ、当の友達である。そして実際、連絡をとってみると、私のヌルい質問に彼はいつも的確なレスポンスを返してくれたのだった。
 スーファミのほかにゲームボーイも買ってもらえたので親に文句は言えないけれども、私にとって、ファミコンの話はほぼ神話である。以前から、横で交わされる話を聞いているときにもよく思っていたのだが、この友達に限らず、小学生のころから真剣にゲーム(=ファミコン)をやっていた人間には、単なる知識や経験では説明のつかない何かが蓄積されていると、あらためて感じた。何気ない言葉のはしばしに、自分にはない他人の思い入れを感じ取るのは面白い。
(例:「太陽の紋章が見つかりません」
   「ある限りの建造物に入って、やまびこの笛を吹け。
    言えるのはそれだけだ」)

 この友達は、高校卒業後、もう1人のやはり真剣にドラクエをやって成長した友達と2人で私の部屋に遊びに来て、やりかけていた「 II 」を「おれたちにちょっとやらせてみ」とプレイしはじめ、慣れないアルコールを摂取した私が速攻で寝てしまってからも、朝までコントローラーを握っていた。目を覚ました私がテレビの画面を眺めて「それ、どのへん?」と尋ねると、2人からは「最後のダンジョン。」との答えが返ってきた。「この角は右だよな」「そこに落とし穴が」などの会話を遠くに聞きながら、悲しい気持で私はもういちど眠り、起きて彼らを帰してから、スーファミを封印した。これまで私が「 II 」をやり直さなかったのは、こういう事情による。

 その最後のダンジョン、落とし穴と無限ループが続く、ロンダルキアへの洞窟は、スーファミ版だと「いちど落ちた落とし穴は、以後、表示されたままになる」ので、友達に言わせれば「それだけでも全体の難易度はずいぶん下がった」とのことなのだが、いや、表示されなかったらきっと私は挫折していただろう、と怖気をふるう。なお、ゲーム中でいちばんたいへんだったのは、この洞窟にある(それだけはヒントもらった)いなずまの剣をさがすことだった。エンディングを見て、とりあえずメールで報告した。

「おかげさまでクリアしました。しかしあんなにボコボコ落とし穴のある無茶なところを、小学生のきみらはよく乗り越えたもんだよね」
「あのフロアは、2×2を1ブロックとして見た場合、右上にしか落とし穴はない。先に言ったらつまらないので内緒にしてたが」

 さらりとかえってきたこの返事に、私は心の底から感動した。結局私は、ドラクエを面白がっているつもりで、この友達を面白がっていたのかもしれない。そして感動したまま、ヤフオクへ「III」のスーファミ版を探しにいった。



 追記1:
 ウィキペディアの記事で、私がそれなりに苦労したスーファミ版は、ファミコン版より「かなり楽」なものだったと思い知る。ファミコン版をクリアしたすべての人にあたまが下がる。
 → Wikipedia: 「ドラゴンクエストⅠ・Ⅱ」


 追記2:
 上に書いた友達の、これまでの活躍
 ・私に「怪奇大作戦」をすすめる 2006年4月
 ・私にジョジョを読ませる 2005年8月
 ・ほかの友達の結婚式に参加する 2005年3月

 *当然のことながら、彼はこのブログのことを知らない
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