趣味は引用
警官の主食はドーナツ
 ここしばらくの日記をまとめて書く。項目はふたつしかない。

■ 「ツイン・ピークス」を見た

 7月の末から1ヶ月かけて、「ツイン・ピークス」を見た。17年くらい前のアメリカ製テレビドラマ。監督デイヴィッド・リンチ。(1)パイロット版+(2)本篇29話+(3)映画版=計26時間くらい。

 カナダとの国境にほど近い田舎町ツイン・ピークスで、高校生ローラ・パーマーの惨殺死体が発見される。FBIから派遣されてきたクーパー捜査官が地元警察と協力して犯人を捜すことになるのだが、それによって明らかになるのは、事件の真相よりも住人たちの隠れた関係や過去の事件・大小いろいろの出来事で、それもだんだん、暴かれることでややこしい影響をあちこちに生んでいく具合。さまざまな思惑のからんでくる捜査は進んでいるんだか戻っているんだか。本篇は、1~7話のファースト・シーズンと、8~29話のセカンド・シーズンからできている。
 毎話、メモ取りながら見ていたので、「ツイン・ピークスを見ている日記」でも書こうかと思ったが、どうやってもネタをばらすことになる気がして遠慮した。とはいえ、設定はやたら細かく入り組んでいるように見えるのに、緻密に作られた謎を堅実に解いていくという話ではぜんぜんなくて(クーパーの捜査法は「夢のお告げを待つ」である)、

 ・捜査するから謎が増える
 ・あと付けでどんどん設定を増やしている

 のが如実にうかがえるようになっていて興味深かった。いま思ったが、この2点は同じことじゃないか。畳む気のない風呂敷は広大で、結果、登場人物たちは緊迫しながら、作品としてはだらだらしている感じもずっと残る。それがマイナスに見えないのが不思議。セカンド・シーズンも後半になって、“いかんともしがたく”ほどけていく展開がまた面白かった。不倫コーヒー不倫変人、不倫チェリーパイ変人不倫、といった話である。

 1990、91年の作品なのに、本篇のセカンド・シーズンがDVDになったのは今年の6月なんだそうで、隣町のTSUTAYAだと、「まとめて借りろ。そして見ろ」といわんばかりに全9巻が幾セットも並んでいるのだが、うちの近所のレンタルビデオ屋では、歴史を感じさせる古びたビデオ版がずらりと置いてあったので(こっちだと全14巻になる)、私はそちらで見ていた。順番に借りていた1ヶ月のあいだ、ほかの巻が借りられていた形跡はゼロだった。
 店主のこだわりがときにうっとおしいほどあふれたそのビデオ屋では、本篇14巻のとなりにもう1本ビデオテープがあって、「こちらをまず御覧ください」というシールまで貼られていた。何もわからないまま指示に従ったところ、どうやらそれがパイロット版だったようで、ローラ・パーマー事件が発端から解決までざっと素描されており、たしかにこれを見ておかなくては本篇がさっぱり「?」だったと思われるから、ひそかに店主に感謝した(本篇の最初の数話からは極端に「説明」が省かれている)。むしろ、「謎」と「謎解き」と「でもわからない」の凝縮されたパイロット版だけでも人に勧めたい気持だ。
(ただし、パイロット版でおおまかに描かれる謎解きは、本篇では部分的にしか踏襲されず、だいぶ別の話にそれていく。そんなところも面白い)

 で、いちおうDVD版の1巻も借りて見ると、こちらにもちゃんとパイロット版が入っているのだけれども、それはわたしがビデオで見たのとはちがうバージョンだったので驚いた。謎解きは途中で止まり、よりスムーズに本篇につながるようになっている。パイロット版も2種類あるのか!
 そこでようやくDVDの公式サイトを見てみれば、「ゴールド・ボックス」だの「コレクターズ・エディション」だの映像特典だのヨーロッパ版だのトレーディング・カードだのの文字が踊り、つまり、何にしろ増殖させれば勝ちということかと思われた2007年の夏だった。

 意外に長くなったので、もうひとつ書くつもりだった「■ はじめてドラクエⅡをした」話はまた後日。
コメント
この記事へのコメント
デイヴィッド・リンチ占い
2007/09/18(火) 12:41:05 | URL | こくど #-[ 編集]
ありがとうございます
「ツイン・ピークス」がそうであるように、このラジオも、まとめて聞くものではないなと思いました。
2007/09/19(水) 04:54:14 | URL | doodling #OtUrN.LY[ 編集]
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