--/--/--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2007/08/08

「ガルガンチュワとパンタグリュエル」を読んでみる その50


[前回…]

 はじまりはじまり、とか言ったとたんに部屋のエアコンが動かなくなった。
 そんなのぜんぜんたいしたことではない、と自分に言い聞かせ、がんばって眠るが、不安な夢から目を覚ましたところ、途方もなく首を寝違えているのに気がついた。運転モードを「暖房」にすると動き出す。暑中お見舞い申しあげます。

 それで『パンタグリュエル物語』、「作者の序詞」であるが、ここでは、作者不詳の大ヒット作『ガルガンチュワ大年代記』をほめたたえるところからはじまり、世人はみんなこの物語を暗誦できるようになるまで読むべきで、なんとなれば、ガルガンチュワのことを思い出せば、狩に失敗した殿様も気が紛れ、歯痛に苦しむ御仁にも効果覿面、よい薬になるからだと弁じたてる。であれば冷房がないなど何ほどのものでもない。
《その証拠には、二カ月間にこの物語が出版元から売り捌かれてしまった部数のほうが、九カ年かかって聖書が買われる部数よりも、はるかに多かったからである。》p18

 そこで語り手は、さらに1冊、「パンタグリュエル王の畏怖すべき言行武勲の物語」を提供しよう、といって先行作と自作をつなげていくのだが、自分はユダヤ人ではないから嘘や出鱈目など申しません、と念を押し、これを信じない輩は劫火に焼かれ、癲癇と脱疽と赤痢と性病に苦しみ、それから硫黄と火焔になって奈落に堕ちるがよい、とおっしゃる。なにしろこの人、《私は小姓の年齢を過ぎてから今日にいたるまで、この王にお仕えして禄を賜っていた》というのだから、これからはじまる物語の信憑性には疑いをさしはさむ余地もないはずで、こちらの期待も高まろうというものである。

 そしてはじまる「第一章」、きっとスケールの大きいものになるだろうお話の幕開けとして、こんな切り出し方はたしかに理想的だった。
《目下我々は閑暇[ひま]であるから、善良なパンタグリュエルが、その元を探ねれば、いかなる血筋家柄から生れきたったかを、皆様に思い出していただくことも無益無用のことではあるまい。》p21

コメント

非公開コメント

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。