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「ガルガンチュワとパンタグリュエル」を読んでみる その49

[前回…]
  [*JESUS・MARIA]
  *  さ ち  あ れ か し
  [ ΑΓΑΘΗ ΤγΧΗ]
 万有*第五元素抽出者*故アルコフリバス師の作にかかり
 [*神学博士*ジャン・リュネル師によって、新たに増補改訂された]
  *その本来の面目に還されたる
* ディプソード
乾喉人国王*パンタグリュエル物語
      及びその驚倒すべき言行武勲録

 フランソワ・ラブレーの「ガルガンチュワとパンタグリュエル」を読んでみる日記。
 前回、さらには前々回からずいぶんあいだが開いたが、今日のはその49回めの更新で、49という数字にはなにか心が騒ぐ。そんなことはいい。『第二之書 パンタグリュエル物語』に入る。読むのに使っているのは岩波文庫の渡辺一夫訳です。

『第一之書 ガルガンチュワ物語』と同様に、この巻も、開くとまず、上に写したようなページになっている(→第1巻の場合)。目次をめくり、変な推薦の辞をめくると、「作者の序詞」が現れる。じつは第2巻のはじまりこそが、ラブレー「ガルガンチュワとパンタグリュエル」のほんとうのはじまりであるらしい。
《世にも高名なる雄武無双の戦士[もののふ]よ、心様優れたる殿原よ、また、この世のありとあらゆる楽しいこと良いことに進んで尽される方々よ、各々方は、つい先ほど、『魁偉極まる巨人ガルガンチュワの無双の大年代記』を御覧になり、お読みになり、それがいかなる書物だかがお判りになっているわけだ。》p15

 本文に入る前に、せっかくなので、文庫巻末の訳者註および「解説」に書いてあることをまとめてみる。
 まず、もともと“ガルガンチュワ”と“パンタグリュエル”は、それぞれ別の民間伝説に登場する小鬼・悪魔の類だった。1532年ころ、その片方を集大成した『ガルガンチュワ大年代記』という本が出回り評判になった(作者不詳)。これが上の引用中の『魁偉極まる巨人ガルガンチュワの無双の大年代記』のこと。それを読んだラブレーは、もう片方の伝説をもとにして、パンタグリュエルを主人公に据えつつ、しかも彼がガルガンチュワの息子であるという設定を施した本を書く。それがこの『第二之書 パンタグリュエル物語』(1532)。『第二之書』が受けたので、ラブレーはさかのぼって『第一之書』を書き、発表した(1534)。それが、私が47回かけて読んだ『ガルガンチュワ物語』である。
 父の話の第1巻、次に息子の第2巻、というのが岩波文庫の順番だけれども(ふつうそうなる)、実際には息子の方が先に生まれていたのであり、上述のように、この父子関係じたいがラブレーの発明なのだった(私が「その3」で書いたことは、少しまちがっている)。
 ずいぶん人を食った話だが、意図的にややこしくされている成立事情にしてからが、本文の外にありながら、この荒唐無稽な馬鹿話の内に組み込まれているみたいで、いかにもふさわしい気がする。『第一之書』のガルガンチュワ誕生シーンを思い出した(→「その5」)。

 つまりこういうことだった――これから読む『パンタグリュエル物語』が、正真正銘、ラブレーの処女作なのである。あらためて、だらだら読もうとの意を強くした。はじまりはじまり。

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