趣味は引用
地上180メートル
「ウィーン美術アカデミー名品展」を見てきた。西新宿の損保ジャパン本社ビル42階にある、損保ジャパン東郷青児美術館

 見てると不安になってくるクラナハ(クラナッハ)の人物画は最初の部屋に固めてあったので、あとはきれいな風景画と静物画ばかり・・・だったらきついなと思っていたが、数が集まると必然的にやりすぎたものも混じってくるので面白い。
 静物画の並んだあとに真打登場な雰囲気で鎮座ましますデ・ヘーム「豪華な静物」は、まず、でかい。縦横ともに1メートル越えてたんじゃなかろうか。なぜか屋外に出してあるテーブルの上には、いろんな種類の果物と、鸚鵡、貝、小海老、銀器、ガラス器、酒瓶、その他が笑えるほど山盛り。あれもこれも感が濃厚で、豪華というより盛りすぎな静物。テーブルの表面が見えません。ほかの絵もしばらく眺めて、静物画の主賓はマスカットと理解した。ぼってり重なった緑のひと粒ひと粒が押し合いへし合い、それぞれちがった重量と大きさで影やら照り返しを作って飽きない。300年だか400年前の静物画に描かれた食べ物(どれも熟してる)に空腹を感じたのはお昼時だったからか。
 風景画では、ローベルト・ルス「ペンツィンクの早春」が素直に大作。晴れてるせいでかえって寒そうな林の、まだ葉のついていない木の枝が何百本だか丹念に描かれ、地面には濁った水たまり(と、そこへの映り込み)。画家の「これでもか」という声が聞こえた。サイズが最大だったと思うが、印象の強さで誤認したかもしれない。人もいちばん集まっていた。あと、ヴェスヴィオ火山の噴火を描いた絵があって(作者失念)、それも風景画の範疇なんだろうかと思うとおかしかった。
 このウィーン美術アカデミーの設立について結果的に功労者だったらしいマリア・テレジア御大の肖像は、某占い師が髪を染めたみたいで驚くやら納得するやら。

(この展覧会は11/12まで)
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック