2006/10/29

12月10日までやっている

 国立西洋美術館「ベルギー王立美術館展」を見てきた。(→読売新聞社のサイト
 寝坊したので到着はまたも昼。晴れた土曜日ともなれば上野公園はむちゃくちゃな人出だった。美術館もただでさえ混雑しているうえに、制服で揃いのカバンを抱えた中学生の群れが館内あちこちで一生懸命メモ帳に何か書いていた。ブログのネタだろうか。

 展覧会は、16世紀くらいの古典から20世紀まで100点ちょっとを展示。油絵だけでなく、紙にペンの素描もある。ブリューゲルの有名な「婚礼の踊り」が小さくてびっくり。ルーベンスの肖像画なんかは単純に怖いため(連想してしまうノストラダムスの大予言は私のトラウマ)仰ぎ見るかたちになるのだが、時代があたらしくなってくると感想が持ちやすい。ブラーケレールなる人の絵は「なんでそこまで」的に筆の線を残しており、それがまた均一なので人間を描いている絵が藁で作った人形を写生したような具合になっている(できた作品は何か退屈)。クノップフ「シューマンを聴きながら」というのは、ピアノもピアニストも描かずにこのタイトルで成立させており立派。リンク先で見ると地味かもしれないが、実物の印象はなにしろでかい。その隣にアンソール「ロシア音楽」というのが並べてあって、そっちの方が見ていて「ああ、絵だなあ」という気になったのは、アンソールはピアノ弾いてる人と聴いてる人をちゃんと描いているから、というだけではなく、両者はタッチもぜんぜん別なのだった。アンソールという人、コミカルな絵(燻製のニシンを骸骨ふたつが咥えて奪い合っている、とか)も描いていて面白い。

 今日はタダでよいというので常設展も見にいく。たいへんな物量。企画展とは比べものにならないほど客は少なく、階段を上ったり下りたりしてめぐっていった奥の奥に小企画展の部屋があり(ややこしいな)、そこでやっていた「フランク・ブラングィン版画展」は完全にめっけものだった。版画といってもエッチングなのでたいそう緻密に描いてあり、ぼやけさせた線で細かな遠近をつけたり、作品自体はどれも小さいだけに舌を巻く。描かれているのは“橋とかモスクとか廃船とか+そこにごちゃごちゃ群がる人々”といったもので、巨大建造物とモブシーンの合わせ技がたまらない。かなり呆けた顔で見ていたと思う。この人の下書きに日本人が色をつけた多色刷り版画(?)もあった。

 フランク・ブラングィン。画集が出たらぜったい買うと思う私は、美術館の売店でここぞとばかりに売られていたベルギーチョコもちょっとほしかった。

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