趣味は引用
日記
 やはり行っておこうか、でも混んでるだろうなあ、と躊躇していた「NHK日曜美術館30年展」東京藝術大学大学美術館が、もう終わってしまいそうなのであわてて見物にいった。会期が1ヶ月ちょっと(9/9-10/15)は短すぎるよ。

 なるべく早い時間のうちに駆け込もうと思っていたのに、部屋を出て駅に着いたら見事なタイミングの人身事故で路線が止まるなどいろいろあって、上野に着いたのは昼。公園の奥の奥にある芸大美術館まで、ほかの美術館や動物園の誘惑に抗いつつ歩く。天気もいいけど人も多い。
 そして会場は、やっぱりたいへんな混雑だった。地下2階からはじまり、次はエレベーターで地上3階、という2フロア。曲がり角ごとに「奥にも展示があります」と丁寧な案内。番組で放送されたなかから選ばれた国内外の作品を80あまり展示して、そのそれぞれに作品名・作家名の札のほか、テレビ放映時のゲストの言葉を抜き書きした“解説”(たいへんわかりやすい)がつけてある。だからこれはほんとうに、現物を前にした「新日曜美術館」なのだった。なにしろ、会場の何ヶ所かにブースが作ってあって、大物ゲストが登場した回のVTRを流していたりもする。
 現物の隣でテレビ見ることもないだろうと思わなくもないけれど、何十人かがテレビを見ていてもなお、作品の前には人だかりができている。日によっては入場制限もあったらしい。由一の「鮭」とかルノワールの裸婦画の前なんて、上野まで乗ってきた山手線より混んでいた(「鮭」の実物はたいていの写真よりずっとくすんだ色をしていた)。その一方で、空いてるスペースもわずかにあり、たとえば、ボコボコ突起のついた輪っかをひとつ立てた“前衛陶芸”付近はゆっくりくつろげた(八木一夫「ザムザ氏の散歩」)。

 こういうと語弊があるかもしれないが、私なんかにも「見やすい」作品が多くてよかった。混雑のわりに疲れなかったのはそのせいかもしれない。図録を買って教科書にすればよかったといま気がついた。美術館て、行く前から知ってるようなビッグネームでもないかぎり、会場ではじめて見て「これいい」と思った作品・作家名もだいたいその場で忘れてしまう。丸木スマ、とか、田中一村、とか、高島野十郎、とか、はじめて知った名前をメモしておく。
 ついでに、「鳥獣戯画」を見たおばあさん2人組が、しきりに「懐かしいわあ」と言っているのでいやそれはないとうしろから突っ込みたかったことをここに記す。



追記:
「鳥獣戯画」には手塚治虫が“解説”をつけていたのだが、いまこういうものを見つけたので貼る。
 「新日曜美術館」とテレビの見方? by夏目房之介
 http://www.ringolab.com/note/natsume2/archives/004487.html
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