趣味は引用
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」(2005)
ニック・パーク、スティーヴ・ボックス監督

 発明家のウォレスと、物言わぬ愛犬グルミットのコンビが大活躍するクレイアニメの最新作を見てきた。異様にきれいな渋谷の映画館、シネ・アミューズ。居心地が悪いったらない、と書こうとして、しかし実際には、座ってゆったり足を伸ばせるほど席と席とのあいだが広くて快適なのだった。なにか悔しい。
 第1作「チーズ・ホリデー」(23分)、第2作「ペンギンに気をつけろ!」(29分)、第3作「ウォレスとグルミット、危機一髪!」(31分)ときて、今作はついに85分の大長篇。感無量である、とかいってるわりには公開から1ヵ月以上経ってしまったわけだが。公式サイトはこちら

 丹精込めて育てた巨大野菜のコンテストが年間を通して最大のイベントになっている田舎町で、ウォレスとグルミットは、畑を荒らすウサギの除去仕事に取り組んでいた。強力な掃除機でウサギを巣穴から吸引するのである。野菜栽培に余念のない町の人びとから感謝されてはいるものの、捕まえたウサギを放りこんでおく檻はすでに満杯なので、ウォレスは掃除機を応用してウサギの脳から「野菜好き」の部分を抽出しようとする。そうすればウサギは無害になるからだ。ところがその後、町には謎の巨大ウサギが跋扈するようになって、野菜は壊滅の危機、ウォレス&グルミットにピンチが迫る……!

 あまりによくできていて涙が出そうだったと言うほかない。
 1コマ1コマ、粘土人形を手で動かし80分のフィルムを作る。そんな作業を続ける製作者の手間のかけ具合は、当然、画面以前の脚本やキャラ造形の面にも及ぶ。あくまでこちらの期待に沿いながら、堅実に予想を越えてくる展開。悪役らしい悪役。どんでん返し。ピンチ。見せ場に次ぐ見せ場。
 ニック・パークの所属するアードマンというアニメスタジオは、6年前の「チキン・ラン」(91分)からアメリカのドリームワークスと組んでいる。粘土だけでなくCGも大々的に使うようになったのは、長篇を作るためには不可欠の選択だったのかもしれないが、豪華になった画を見てときどき寂しくなる気持もあった。「いまの、ほんとに必要だったか?」と。
 けれども、私が粘土だと思って見ている部分が実はしっかりCGで加工済だったりするのだろうから、寂しがる余裕があったらすみずみまで堪能するべきなのだろう。科学/魔法の関係と同じく、高度に進化したCGは粘土と区別がつかないのかもしれない。
 本作の主役ともいえる、山ほど登場して画面を撹乱するウサギみんなに豚鼻がついているあたりに、製作者たちのものの見方が現れている気がした。素晴らしく愉快にできていて、子供にも100%安心して見せられるこんな作品を貫いているのが“大人の悪意”であるところがまた素晴らしいと思う。あと脇役では、ちょっといかがわしい牧師がよかった。


ウォレスとグルミット チーズホリデー [DVD]ウォレスとグルミット チーズホリデー [DVD]
(2007/08/17)
ピーター・サリス

商品詳細を見る


ウォレスとグルミット ペンギンに気をつけろ! [DVD]ウォレスとグルミット ペンギンに気をつけろ! [DVD]
(2007/08/17)
ピーター・サリス

商品詳細を見る


ウォレスとグルミット、危機一髪! [DVD]ウォレスとグルミット、危機一髪! [DVD]
(2007/08/17)
ピーター・サリスアン・レイド

商品詳細を見る


チキンラン [DVD]チキンラン [DVD]
(2002/09/27)
メル・ギブソンジュリア・サワラ

商品詳細を見る


(「ウォレスとグルミット」シリーズには、番外編としてこの短篇集もある)

ウォレスとグルミットのおすすめ生活 [DVD]ウォレスとグルミットのおすすめ生活 [DVD]
(2003/05/28)
ニック・パーク

商品詳細を見る
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。