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半分の『辞書』
 マコーマック『隠し部屋を査察して』に引き続き、今度はローレンス・ノーフォーク『ジョン・ランプリエールの辞書』を読んでいるが、これが結構たいへんで難儀している。じつは先週から読んでおり、さっきようやく半分を越えたところだから、今週中に読み終えられるか微妙。挫折しないよう経過報告を書いてみる。
 つまんないのかというとそんなことはない。むしろ面白い。間違いなく面白い、とさえ言っていいはずだ。歴史に材を取った一大冒険活劇で、すらすら読み進めるのだが、なんというか、こんなにもすらすら読める小説にこれだけの長さ(2段組で約600ページ)は必要なんだろうか、という疑問がつきまとって離れない。
 いや、必要だったんだとは思う。主人公が不可解な事件に巻き込まれて舞台も二転三転、謎が謎を呼び、妙ちきりんな人物と奇体なイベントが山ほど登場、徐々に明かされる謎周辺の事情はすでに時代をさかのぼりつつあり、どんどん拡大していく話は(前評判によれば)豪腕でもってまとめられ見事な大団円を迎えるらしいから、600ページが必要かどうかではなく、作者がもてる筆力をフルに使って風呂敷を広げた結果がこの長さ、なんだろう。
 でもその風呂敷、いまはそうやってどんどん広げているけど、どうせ畳まれちゃうんだよね――読んでいる最中にふとそう思ってしまい、するとなぜか「徒労」という言葉が脳裏をかすめるのだった。
 これ、何についてだって言えるいちゃもんであるわけだから、夢中になって読んでいればそこまで立ち戻って考えなくてもいいはずだが、どうにも、ページをめくっている私はこの小説にうまく引き込まれていない。原因は、この小説がゴールに向かってひたすら真っ直ぐに進んでいるからだと思う。真相を大きなものにするために、いまは謎を謎として膨らませている段階。そこでストーリーの語り方が一本調子なのは、やや厳しい。何から何まで説明されるし、大事な出来事は視点を変えて親切に繰り返される。読み易すぎると、こちらの集中力はかえって逸らされるのかもしれない。「こちら」って私のことだが。そうだよな。私には、体力が足りない。それを痛感した。念のため繰り返すが、面白いことは間違いないのである。
 いまちょうど300ページ。これから怒濤の展開でラストまでもっていってもらえれば、「ああよかった、結局1ページも無駄ではなかったんだ」と満足するのだろう。きっとそうなる。そのとき、現時点で感じているもやもやは雲散霧消しているだろうから、いま、そうやって昇華する前の感想を書き留めておくべきじゃないかと思ったのだった。いや、「べき」ってことはないかな。ぐだぐだである。
(でも、わざわざ読書を中断してこんなことを書いている時点でずいぶん語るに落ちている気はする)
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