趣味は引用
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スケッチブックと卵菓子 その1
《きみは枕の上に本をふせてはねおきる。自分の体を抱きしめながら、はだしで部屋のなかをぴょんぴょんとびまわる。わあ、おもしろい! すごいや!》P37

 ほんとは、表題作からこの一節だけ引用して終わりにすればよかったのである。以下、きっとだらだら長くなっていくと予想される今回の文章(たぶん2回か3回になると思う)は、ジーン・ウルフ『デス博士の島その他の物語』(国書刊行会)から、「アメリカの七夜」についてのメモです。

デス博士の島その他の物語
 甘く腐った架空のアメリカへ渡ったイランの御曹司ナダンが行方をくらませるまでの1週間を綴った手記という形式をとるこの中篇を、私は通して2回読んだが、いまのところ何かを発見できたわけではぜんぜんない。タイトルを「スケッチブックと卵菓子」にしてみたのには特に理由はなく、七夜といいながら六夜しかない、その削除されたらしい一夜に何があったのか、そして何個目の卵菓子に幻覚剤が入っていたのか、そもそもそれらが決定可能なのか、さっぱり見当がつかないままキーボードを叩いている。あ、嘘ついた。どうせそういったことは決定できないように書かれているんだろうというつもりで読んだのだった。前情報とかあちこちにあったし。
 前情報といえば最たるものとして、殊能将之の日記(memo)を毎日見ている私は、氏がこの短篇集についていろいろ書いているのは読んでいたが、2週間くらい前にアップされた「アメリカの七夜」の“真相”という文章はおそれをなしてクリックできなかった。せっかくだから、この記事を書き終えるまで読まない。
「?」と気になったことだけでも書いておいて、誰かに考えてもらえないものかと淡い期待を抱いている。なんにしろ、せめて10日くらい前に書いてアップしておくべきではあった。もう3月じゃないか。


■タイムテーブル

●1日目
・朝、海の色が緑から真っ黄色
・穀物商人ゴラン・ガッセーム、アメリカ人ミスター・トールマン、船長
・船がアメリカに到着
・カビにおおわれたパンの夢 ※P234より
――ここまでの日記を書く(が、書くことが多すぎて中断)P230

●2日目
・ホテル、《うんと寝坊》P230、朝食
・1人で外出、奇形の人々を見る
・〈墓場の町〉で奇形の男に案内され、博物館の地下室に老人を見る
・ホテルに戻る、沈む夕日 P239
――ここまでの日記を書いたと思われる ※《「さっきまでずっと書きものをしていたので」》P242
・《夕食をとりに外出》P239
・ホテルに戻る、劇場で芝居を見るのに再び外出
・『ある小惑星への訪問』観劇、隣の席に地下室の老人がいるのに気づく
・幕間に老人に食べ物をおごる、におい・伝達についての会話
・ボビーとアーディスに気を留める、卵菓子を買ってくる(まずい)P246
・老人を博物館まで送る、そこで幻覚剤のアンプルを買いホテルへ戻る
・卵菓子の1つに幻覚剤をかけ、《明日の晩から一個ずつ食べることにする》P249
――ここまでの日記を書いたと思われる ※P249より
・眠れないので娼婦を呼んでもらう、3人から1人を選ぶ

●3日目
(朝食前)
――娼婦のことを日記に追加 P250
・ひとりで外出、ワシントン運河の向こうの公園へ
・野犬をレーザーで撃つ、強盗を撃退、ホテルに戻る
――ここまでの日記を書く 《就寝前に例の卵菓子をひとつ食べるつもり》P253
★卵菓子を食べる P255
 個数については記述がないが、P267からすると(連続してるなら)[6個→5個]
――そして、食べたことを日記に書いたと思われる
・たそがれどき、ディナーへ出かける(アメリカ料理)
・もういちど劇場へ 『メアリー・ローズ』、客席後ろにアーディスがいるのに気付く
・ホテルへ戻る
・《そのおなじ夜、ぼくはなかなか眠れなかった》《これから》アーディスの住所を調べてみよう P258
――ここまでの日記を書く P256、P258
・午前2時過ぎ、支配人室へ行くが留守、住所録を調べる
・劇場に近いダール家を目当てに外出、無人の街路
・気分がハイなのはドラッグのせいかと考え頬の内側を血が出るまで噛む
・誰かに見張られている感じ、目当ての家に到着(1階が本屋、2階が住居)
・老夫婦、家には入れてくれない
・家をふりかえると怪物が飛びかかってくる→射殺

●4日目
――《いまは朝食前》 ここまでの日記を書く P258
・怪物の首を取ってくることを思いつき、庖丁持ってゆうべの場所へ
・死体も、何の痕跡もない
――ここまでの日記を書く 《もう午前のなかばだ》P264‐5
 (また劇場に行ってアーディスに贈り物をする予定)
・外出、市場で腕輪を買う
・影が長くなるころホテルへ戻る、ディナー(ラムとライス)
★卵菓子を食べる [5個→4個] P267
・ベッドでまどろみアーディスの夢を見る、身支度して外出
・『メアリー・ローズ』観劇、客席でボビーと遭遇
・ボビーに連れられ地下酒場へ、アーディスへの紹介を求める
・ボビーとトラブル、警官が彼を連れていく
・劇場に戻るが入れないのでホテルに帰る
(日記は明朝書こうと思って)眠ったところにアーディスが訪ねてくる
・明朝、ボビーの釈放のため警察へ行く約束
・彼女を送ろうとするが逃げられる、置手紙
――寝直す前にここまでの日記を書いたらしい
    ※P275に《明日もう一度会うことになってもいる》とあるので

●5日目
・早起き、ホテルで朝食(8時、パイ皮その他アメリカ風の朝食)
・「明日」は卵料理やオーブンで温めたパンを試すつもり
・《ゆうべはとても不愉快な夢を見た》P283 ※「おとといの夜」の怪物が出てくる夢
――アーディスを待ちながらこの部分の日記を書く P283
・アーディス、遅刻してやってくる、一緒に警察へ
・たらいまわし、5時前に帰る許可、アーディスをアパートまで送る
★卵菓子を食べる P284
 個数については記述がないが、前日分から(連続してるなら)[4個→3個]
――ここまでの日記を書く、夕方6時過ぎ P284
 (ディナー待ち合わせは7時)
・2人でレストランへ、しかしゴランとトールマンがいて店を出る
・劇場、ボビーが釈放されている、役者テリーがいなくなって代役を押し付けられる
・真夜中近く、きのうの地下酒場でアーディスと食事
・彼女のアパートへ、ロウソクを消される
・ホテルに戻る
卵菓子が2個に減っている、日記帳の場所が変わっている
――ここまでの日記を書く、削除もする P289、P295

●6日目
・11時ごろ、アーディスがバスケットを持ってくる、人造湖でデート
・アーディスの父と内陸の宝の話、怪物との商売
・アーディスをアパートに送る、2階の部屋に上がろうとして拒否される
★卵菓子を食べる [2個→1個]P296
――ここまでの日記を書く P296、P301
・パーティのため入浴
――日記に追加  すれ違った行列のこと P301
・仮装パーティーへ、アーディスはエジプト王女の扮装
・真夜中にアーディスのアパートへ、レーザーで酒を燃やすと悲鳴
・ホテルへ逃げ帰る
――最後の日記を書き始める 《ぼくの腕時計では午前三時》P303
★《いまのぼくが知っているのは、アーディスの父親の家の前で殺した怪物が現実の存在であること、そして、このパラグラフとその直前のパラグラフのあいだで、最後の卵菓子を食べたことだ。》P304
――最後の日記を書いている
《あのあと、クレトンがぼくの部屋の前の廊下を歩きまわり、ゆがんだ黒靴の足音が、地震のようにこの建物をゆるがした。“警察”という言葉が、まるで雷鳴のようにひびいた。ぼくの死んだアーディスは、とても小さく、まばゆい姿でロウソクの炎の輪から出ていき、毛深い顔が窓からのぞいていた。》P304


(しまった、「気になったこと」までいかなかった。続きます)

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。