2005/12/09

シティボーイズ

 大竹まこと、きたろう、斉木しげるのシティボーイズは、毎年ゴールデンウィークに公演を行っているという。そのライブを収めたDVDが近所のTSUTAYAにあったので、週に1本ずつ借りて見ている。毎回、10個前後のコントをつないで2時間程度の長さ。そろそろ記憶があやふやになってきたから、自分用のメモとしてリストを作ってみる。

 以下、後ろの()が公演した年。ゲスト出演者がある場合は+で付け足した。■マークが私の見たもの。□は未見。あともうちょっとだ。

■「鍵のないトイレ」(1992)
■「愚者の代弁者、西へ」(1993)
■「ゴム脳市場」(1994)+布施絵里
■「愚者の代弁者、うっかり東へ」(1995)+中村有志・いとうせいこう
■「丈夫な足場」(1996)+中村有志・いとうせいこう
■「NOT FOUND」(1997)+中村有志・いとうせいこう
■「真空報告官大運動会」(1998)+中村有志・いとうせいこう
■「夏への無意識」(1999)
■「ウルトラシオシオハイミナール」(2000)+野宮真貴・本田久就
■「ラ ハッスル きのこショー」(2001)+中村有志・いとうせいこう
■「パパ・センプリチータ」(2002)+中村有志・犬山犬子
□「NOTA 恙無き限界ワルツ」(2003)+中村有志・YOU・五月女ケイ子
□「だめな人の前をメザシを持って移動中」(2004)+中村有志・小林幸太郎・西野恭之介
□「メンタル三兄弟の恋」(2005)+中村有志・のろま会

 仮に台本だけ見れば、“常識と不条理のせめぎあい”“シュールな掛け合い”ということになるかもしれないが、実際の舞台は“大の大人が集まって、やりたい放題やっている”感が圧倒的。みんな必死に全身で演じ、走り、どなり、ときに布団を振り回す。常時発生するトチリ、アドリブ。つながりがあったりなかったりする短いコントを2時間分暗記して演技するってどんな作業なのかと空恐ろしい気持になる。「終わったあとに何も残さない、残らない」とは恒例の舞台挨拶での大竹まことの言葉。
 順番としては、中村有志・いとうせいこうが参加しているやつを見ていくとハズレがない。なかでもおすすめは、「丈夫な足場」「ラ ハッスル きのこショー」。それで「合わない」と感じれば、遡って見る手間は省けるだろう。

 詳しいことは知らないが、80年代、シティボーイズといとうせいこう(あと竹中直人ら)は、宮沢章夫と組み「ラジカル・ガジベリビンバ・システム」として活動していたらしい。上記ライブで2000年分までの作・演出を担当した人もその流れに位置するらしく、宮沢章夫のエッセイでたまに触れられる昔の活動はなるほどこういう感じだったのかと思わされることもある。大いなる勘違いかもしれない。念を押すけど、詳しくは知りません。
 強烈に印象深かったコントのメモをいくつか。印象深かったというか、まだしも説明できそうなやつ。

「ピアノの粉末」(「愚者の代弁者、うっかり東へ」より):
ピアノを粉末にする。

「五人姉妹」(「愚者の代弁者、うっかり東へ」より):
役者五人が、舞台が暗転するたびに、五人の姉妹(女言葉)とそのそれぞれの夫を演じ分ける。いとうせいこうの女言葉は、糸井重里のベストワークを「となりのトトロ」父親役とするのと同じ意味で、この人のベストワークじゃないかと思った。

「布団祭りvs岩祭り」(「丈夫な足場」より):
布団をぶん回す「布団祭り」派と岩を投げる「岩祭り」派の熾烈な争い。

「毛皮族」(「NOT FOUND」より):
気温22℃の東京で、Tシャツのいとうせいこうの前に現れる、毛皮を着た四人の男たち。「そこの薄着の人!」「私ですか!?」

「長い廊下」(「NOT FOUND」より):
温泉宿に来た五人が、何やかやと理由をつけて長い廊下を全力疾走する。息を切らして走る。ただ走る。

 ○ ○ ○

思い返すだに、私は“演技するいとうせいこう”がつくづく好きなんだなあと再確認した次第。
「なんかちっとも面白そうじゃないんだけど」と思った人にこそ見てほしい、といって逃げる。



追記:
大学のサークルに、このライブを見てきたと自慢する先輩がいたが、名前を思い出せないあの先輩の気持がいまならわかる気がする。