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2005/06/28

正教会

 こないだの三島賞をとったのはやたらと評判の高い青木淳悟ではなく鹿島田真希だった。
「新潮」7月号に、この人と笙野頼子の受賞記念対談が載っている。私はこの人の小説は読んだことないし、笙野頼子もしばらく追っかけてないが、パラパラみてみると、この作家はクリスチャン、それも正教会という宗派の信者だという話があった。

笙野 一般のキリスト教とはどう違うの? たとえばマリア様についてはどう捉えているのかしら。
鹿島田 そうですね、まずマリア様は人か、神に近いものかというところで考え方が分かれるんです。カトリックはマリア様は神みたいな存在で、プロテスタントは普通の女性、正教会はその間をとっています。神を生んだ女という扱い、それで“生神女[しょうしんじょ]”と書くんです。》

 信仰とは私には想像もつかない世界だが、編集者が対談のテープ起こしで以下の部分を残した気持はよくわかる気がする(太字にしたのは私である)。
笙野 聖者の遺体は腐らないという信仰はあるのでしょうか。
鹿島田 それがすごく難しい問題だったんです。ですがドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』でだいぶ変わったんです。作品中にゾシマ長老という修道院長が出てきますよね。主人公のアリョーシャが崇拝する、大変なカリスマ性を持った人物として描かれている。アリョーシャは、ゾシマ長老は素晴らしい人だから遺体は腐らないと信じこんでいた。ところが亡くなってしばらくするとゾシマ長老の遺体は腐り始め、アリョーシャは一種の挫折をする。最終的にはゾシマ長老がガリラヤのカナという、キリストが初めて奇跡を行った結婚式の場に参列している夢を見て立ち直るんですけれども。『カラマーゾフの兄弟』が実際にロシア正教会に与えた影響というのは大きくて、以来考え方が変わっています。勿論、腐らない聖人もいますけれども、腐る人も聖人になるようになりました。聖人になるとイコンになったり、聖○○と呼ばれたりしますが、今は腐る人も列聖されます。



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