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2004/04/06

その65 ― ピンチョン Lot 49

The Crying of Lot 49 (Perennial Classics)

前回…] [目次


 具体的には「その61」からの続き。

 サン・ナルシソの〈タンク劇団〉による『急使の悲劇』(リチャード・ウォーフィンガー作)は、スカムリアとファッジオという隣りあった二国を舞台にした不気味な復讐劇である。
 娯楽作として書かれたらしいので、スカムリア=悪いほうファッジオ=よいほう、とはっきり分かれ、悪いほうがよいほうを乗っ取ろうとして仕掛けた権謀術数と、その両方の宮廷で行われる殺人・拷問が見せ場になっている(よいほうだって拷問するのである)。

あらすじの前に、主な登場人物:

●スカムリア            ○ファッジオ
・悪人公爵アンジェロ       ・善人公爵(故人)
・パスカーレ             ・ニコロ
・フランチェスカ
・エルコーレ             ・ジェンナーロ
・(アンジェロの郵便屋たち)

 ほかに〈テュルーン、タクシス家〉という郵便組織が出てくる。
 これは実在の家名で、15世紀にはヨーロッパ全域をカバーし、郵便の配達を請け負っていた。神聖ローマ帝国公認の郵便事業にまでなっている(→ご参考:公式サイト)。
 劇中ではとりあえず、ドメニコ、ヴィットリオという二人がここで働いている。

簡単な血縁表:

●スカムリア

  悪人公爵アンジェロ
     ┃兄            ○ファッジオ
     ┃妹
  フランチェスカ━━〈不倫〉━━善人公爵━━━┳━━(妻)
        母    ┃       父         ┃母
          子  ┃                 ┃子
           パスカーレ ←〈異母兄弟〉→ ニコロ

劇の背景:
 ファッジオを手中に収めようともくろむスカムリアの悪人公爵アンジェロは、下準備として自分の妹フランチェスカを善人公爵と不倫させ、パスカーレという私生児を生ませておいた。
 やがてアンジェロは善人公爵を巧みな手口で毒殺し、自分の意のままに動く甥のパスカーレがファッジオで幼い王子ニコロの摂政の座につくよう仕向けた。ニコロを殺し、パスカーレに実権を握らせて併合に近づけようというのである。
 で、少年ニコロは爆殺計画に巻き込まれるのだが、アンジェロの配下であるはずのエルコーレがファッジオの廷臣たちとひそかに手を結んでおり、この正統な王位継承者を、周囲には死んだと思わせたまま国外へ逃がすのに成功していた。

 それから10年ほど経ったのが『急使の悲劇』の「現在」になる。

…続き

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